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【相続税の税務調査】概要とポイントを解説!~税務署から何をしに来るの?~

動画の概要

今日は「怖い」と皆さん考えてるかもしれませんが税務調査の概要について話をしていきます。生前贈与で相続対策をされてる方いらっしゃると思うんですが、それが調査によってひっくり返ってしまうということがあり得ますので、税務署の方の着眼点をまず押さえて、正しく贈与して、指摘されないようにしていただければと思います。

1 税務調査の対象とは?

まず最初調査の対象ですが、よく勘違いをされるのは亡くなった方だけが対象になるということですね。実は相続税の税務調査は、亡くなった方だけではなくて、基本的には家族とか親戚も一緒にチェックされます。具体的には配偶者の方とか、お子さんお孫さんの通帳とか、そういったところも調査の対象となってチェックをされますので事前に税理士さんに確認をしてもらった方が安心だというケースがあります。

2 調査官のチェックポイント

それから調査官のチェックポイントです。亡くなった方とそれから家族の方では、若干違っておりまして、まず亡くなった方はですね、過去の所得税のですねデータなどをチェックしますね。「これぐらい所得がある方はですね、これぐらい財産を持ってるだろう」っていうそういう推測をしたり、あと不動産の売買した履歴なんかも税務署の方は知ってますので、売買したお金が、どこに行ってるのかとかを、チェックをします。

よく聞くのが不動産売却したお金を通帳に入れないで、手元に持っている方いらっしゃいますけども、税務署の方はわかってますのできちんと申告しておいた方が安心でございます。それから奥さんとか家族のどういうところで見てくるかといいますと、やはり働いているかどうか、働いて所得がどれぐらいあるのかっていうことです。特に専業主婦の方は所得がありませんので、その方に財産があるといった場合には「この財産はどうやって作ったんですか? 実家の相続ですか? もしくはパートで働いた分ですか? 年金もらった分ですか?」と聞かれることがあります。

そういった情報を踏まえて適正であればですね、問題ないんですけどもあまり所得がないにもかかわらず、多額にお金を持っていると旦那さんから流れてきたんじゃないかということで「相続財産として申告してください」と言われてしまう可能性があるということが注意事項となります

それから何年前から調査官はチェックするんですかっていう話なんですけども、銀行には通帳のデータが10年間残っていて、その間の通帳の流れはチェックされます。しかし、10年間だけで足りるかどうかというと、あとはバランスの問題になります。夫婦で仮に旦那さんが10億円持ってました。奥さんは1億円持ってました。実は昔からへそくりで頑張って貯めていたんですと言った場合には、もう30年前からその通帳はあって、10年間は見れないかもしれませんけど。バランスが悪いですね。そうすると奥さんの方の一億円についてはですねやっぱり旦那さんからの生活資金の余りが溜まってるということがあれば、原資が旦那さんということで相続財産ですよっていうふうにですね言われてしまう可能性がありますので、事前にチェックをする必要があるのかなということになります。

あとですね書類を残しておくことも大切ですね。例えばですね生前贈与をやってる方の場合ですと贈与契約書を残しておくとか、不動産の売却した方ですね譲渡すると所得税の申告をする必要がありますけども、そういった譲渡をしてちゃんと申告してますよとかですねそういった証拠をですね、手元に残しておくことがですね、本当かなということでございます。

税務調査のときはですね、通帳を調査官がチェックされますので「この出金なんですか?」って聞かれて、贈与でもらってますという証拠を出しておけば、(この人はちゃんとしっかりしてるな)ということが調査官に伝わりますので、証拠を取っておくということは必要だと思います。

逆に出金はあるんだけど何も証拠ないっていうことだったら皆さんはどう思いますか。かえって怪しいですよね私が調査官だったらですね、その場でどこ行ったんだって普通探しますよねそういったことがですね、ありますので証拠を残しておいて自分はですねちゃんとやってるということですねわかってもらうのもですね一つ大事なことだなと思います。

あと税務調査が来る割合ですね。相続税の申告自体は、年間約130万人の方が亡くなっていて、10万件の申告がありますので、大体8%と言われています。でこの10万件の申告がある中で、調査に来てる割合で大体1万1000件ほどと言われております。ですから約1割ぐらいの確率で調査が来てるということでございます。この1万1000件の中で、約1万件が調査で修正してるというデータがあります。ですので、だいたい調査に来る確率は1割ぐらいですけども、8割の確率で何かの修正をしてるということです。ある程度、目星をつけて調査に来てるのかなと思われます。

「財産をたくさん持ってる方が調査の対象になりやすいんじゃないか」とよく言われておりますけども、当然それも一つの目安になります。しかし明らかに何か財産が申告から漏れてるケース、こういった場合も調査が来ますね。あとは家族の財産が大きいケースは、「どうやって財産を作ったんですか」ということで調査したり、亡くなった方に不明の出金がたくさんあって「その使途が何ですか」と確認したりとかがありますので財産の規模だけじゃなくて、これらのことから調査の選定先が選ばれるのかなという気がします。

続いて時期ですね。税務調査がやってくる時期、通常は秋に来ると言われています。一般的には会社は3月決算のところが多いかもしれませんが、税務署は6月で事務年度が閉まります。

7月に引き継ぎまして秋に調査が来るというのが一般的です。9月とか10月に調査はやっていまして、年末に修正をするケースが多いのかなという気がします。あとは春に来るケースもあって、これは3月の確定申告もあって、何か明らかに漏れてるようなケースは春に調査をするケースもありますけども、メインは秋に調査がやってくるのが多いのかなと思います。

3 当日のスケジュール

まず税務署からの連絡は申告をした税理士に電話がかかってきます。例えば「どこどこさんの調査に行きたいので日程調整してください」と連絡が入り、日程調整をした上で、国税の方が自宅にいらっしゃるというのが普通の流れになります。

当日の流れということで、これ午前中とですね午後ということで挙げさせてもらいましたけども、

調査官はだいたい2名でいらっしゃいます。担当者の方と上司の方で2名で来るのが多いです。まず午前中の流れですが、10時に自宅にやってきまして12時までヒアリングを行っていきます。最初は軽い挨拶から始まりまして聞かれることは、亡くなった方の職歴、それから学歴、そういった経歴の話を聞かれます。あと相続人の方も同じですね、学歴、今どういう仕事しているか、いうそういった身の回りの話からしていきます。ここで注意点がありまして、調査には奥さんが一緒に立ち会うケースが多いんですけども、喋りすぎちゃう方が多いんです。基本的には「聞かれたことだけを答えてください」というのが、一つのポイントになります。

それからもう一つのポイントがですね、「言い切らない」ということです。よく調査官が【ひっかけ】をすることがありまして「亡くなった方の通帳を管理していたのは誰ですか?」という問いに対して、「旦那が管理してました、私はしてません」ということで、「通帳は旦那さんが管理してたんだから奥さんの口座には特に旦那さんから入金がありませんよね」って言ってですね、そこで「はい、そうです」って言ってしまうんですね。あとで午後の流れも説明しますが、午後の現物確認で通帳をチェックします。そこで入金が全くないと言っても、たまに入金があったみたいなことがあります。そうすると「午前中のヒアリングの中で『旦那からお金はもらってません』って言ったけど、これありましたよね。午前中は虚偽答弁だったんですか?」というようなケースがありますので、いい切らないっていうことが大事になります。「そうだったかもしれない」とか、「後で調べて回答します」とか、そういう言い方が良いとアドバイスしています。

申し上げた通り午前中はヒアリングを中心にやっていくんですが、もう一つポイントになってくるのは、意思能力がちゃんと被相続人の方にあったかどうかというそういったことですね。例えば、生前贈与をずっとやってらっしゃると思うんですが、生前贈与はあげた方が「あげました」、もらう方が「もらいました」っていうことを贈与契約書で証明しますね。

ところが調査のときに「亡くなったご主人さん、どういう形で亡くなったんですか」という話からはじまり、「入院期間ってどれぐらいだったんですか」とか、「通院期間はどれぐらいだったんですか」「どこの病院に行ったんですか」というヒアリングをしてきます。そのときに、「いや、ずっと寝たきりで自宅に戻って来れませんでしたよ」なんていう話をしてしまうと、「あれ、おかしいですね。この期間、寝たきりで病院にいたということですけども、この贈与を誰がやったんですか?」っていう話になります。そこでトラブルになったりするケースがありますので、注意が必要ですね。病院機関とか通院・入院の流れなどこの辺も、午前中のヒアリングで聞かれるということになります。

ヒアリング後、お昼の12時になりますと、調査官はいったん食事のため外に出ます。僕らは残ってお昼を取ったり、午前中の反省点を踏まえて少し打ち合わせをしまして、13時になりますと調査官が戻ってくるという流れですね。

そして午後の調査が始まります。午後、調査官は現物確認をします。どういうものチェックするのかというとまず通帳、それから印鑑、保険証書とか、証券関係、そして不動産の権利書とか、こういったものを確認されます。

通帳については、事前に調査官が銀行に行って確認してくるんですけれども、通帳にはメモが書いてあったりしますよね。例えば10万引き出しがあって3月分、次の月にまた10万円引き出して4月分、とかって書いてあれば、これだけで「生活費ですね」って話になったり、そういったメモが書かれてますのでその辺をチェックしてるのかなということです。

こんな話をすると、通帳ってメモしない方がいいんですかっていうご質問があります。私は、メモはキチンと書いていた方がかえって証拠になるのかなっていうふうに思っております。

あと調査官は印鑑をチェックしますね。亡くなった方をはじめ、ご家族の実印・銀行印・認印紙に、印影を取っていかれますので、必ずそれも取っておいてくださいということになります。以前あったのはですね、これお父さんの認印ですって渡して、調査官が印影を確認したら、「このハンコの印影は、孫の太郎ちゃん名義のどこどこ銀行のどこどこ支店の通帳の印鑑ですよね」って言われたことがありました。そうすると「孫の太郎ちゃん名義のこの通帳は亡くなったお父さんが作ったということで、そこに110万円が貯まっていて、これ名義預金じゃないですか」っていう議論があったりしますので。この印鑑は、非常に大事ということでございます。

それからもう一つ保険証券の話ですが、どうしてもわからない出金がたまに出てきます。その不明出金と、この保険契約をですね、並べていきますと大体一致するケースがあります。仮に500万出金があって、奥さん名義の保険があって、その出勤日と保険をですね契約日が同じだったりすると、この奥さんの保険って、旦那さんのお金が原資だったんですよねということで奥さん名義の保険が、相続税の申告を一切入れなきゃいけなかったっていうそういうケースがありますので、そこは注意が必要かなというふうに思います。

あとは権利書ですね権利書は大事な部分に置いてあったりしますので、実際に行って周りを見せてくださいとなります。そこで現金が出てきちゃったりすると、「これ誰のお金ですか」とか指摘されることがあります。それから権利書には特にお金の使途とか、メモしてあるケースがありますので、子供さんの名義だったけども、実はお父さんが出してくれたとか、調査で少し問題になるケースがあるということでございます。

午後、現物確認をしまして早ければ15時から16時ぐらいに終わることが多いですね。それで調査官が、一旦税務署に帰ります。でも調査はそれで終わりません。自宅に来るのは1日だけかもしれませんけども、その後、税務署でいろいろ検討した結果をひと月ぐらい先にまず税理士に連絡が入りまして、「先日自宅に伺った誰々さんの指摘事項は、こことここです」っていう形で連絡が来ます。その後、税理士と納税者の方と打ち合わせをして、「ここは仕方ないないかもしれませんけども、これはどうも違う」ということでどっかで落としどころ見つけて最終的には修正申告をするというケースが、ポイントです。

税務調査で名義預金についてよく議論します。簡単に説明すると、名義は亡くなった方の通帳ではないんですけども、亡くなった方の原資を負担していますと、「これも相続財産として申告に入れてください」ということになります。

ただ正しく贈与契約をしていれば、問題になりません。よく無駄遣いしちゃったら困るということで、この通帳や、印鑑を旦那さんが持ってると、実態が伴ってないとなりますので、調査のときに見つかった場合には、修正申告によくなりがちでございます。これは、お子さんとかお孫さんっていうケースが多いんですけども、もう一つは配偶者ですね。奥様の通帳をチェックされまして、例えば生活費で30万渡しました旦那さんが奥さん、30万出しました奥さん頑張ってやりくりして10万円残りましたねこの10万円残ったお金をですね、奥さん名義の通帳にずっとお金貯めてましたっていうことです。これも、相続財産になってしまう可能性があります。まず夫婦別産制とかって言い方をしますね一般的な感覚からすればですね夫婦のお金ってみんな同じだっていう感覚かもしれませんが、税務署はですね夫婦別産制っていうことですから、名義に関わらず、誰が原資を負担してるのか、誰の収入だったかということが、大事になってきますので、この辺を踏まえて、申告する段階でチェックをしておくのが安心です。

ペナルティについては延滞税と加算税、これがメインということになります。延滞税は簡単に言うと利息的な税金です。加算税はいわゆる罰金的な税金です。加算税は過少申告加算税と、重加算税の2種類にわかれています。通常、延滞税と過少申告加算税だけなんですけども、仮装又は隠蔽と言われた場合、この過少申告加算税は重加算税に切り替わって本税の35%かかります。重加算にならないきちんと対応することがポイントということになります。仮装または隠ぺいということになりますと、まず延滞税が通常MAX1年が、これが1年以上が経って延滞税が課税されます。それから配偶者の軽減が受けれないということでですね、調査で何か見つかった場合、奥さんが相続した配偶者の軽減が使えない扱いになりますので、いかにですね、重加算税ならないような対応がポイントということになります。

この重加算税の話で税務署の方には、事務運営指針というのがあって名義預金については重加算税かけていいですよっていうそういう内部の取り扱いがあります。ただ僕ら現場の税理士からすればそういう扱いはあるんですけども、外部からうかがえる特段の行動がなければ重加算税は課せられないと考えておりますので簡単にきちんと税務署調査に協力をしていただいて、資料をきちっと出す、調査に協力をするということであれば、外部からうかがえる特段の行動はないと考えられますので、税理士の方できちんとですね対応する必要があるのかなというふうに考えております。

ということで税務調査についてお話をさせてもらいましたけどもいかがでしたでしょうか。実態が伴ってるとか証拠が残ってるとか、そういったことがポイントになりますので、どうせなれないからいいやって言うとですね後で痛い目に遭ってしまうということがありますので、正々堂々とですね資料の方を残していただいて、調査に協力するということで名義預金と思われるものがあればですね、最初の申告の際にきちんと通帳をチェックするというのがポイントですね。