Q.配偶者が、今現在配偶者が住んでいる家とその敷地になっている土地を相続しました。何か特典はありますか?
A.小規模宅地等の特例により面積240㎡まで80%減額できます。
(1)小規模宅地等(特定居住用)
①概要
居住の用に供している宅地等を相続した場合、一定の面積(小規模宅地等)については、要件を満たすことにより、通常の方法で評価した価額から次に掲げる面積について以下の減額割合を乗じて計算した金額を評価減として控除できます。
特定居住用宅地等 240㎡まで 80%
②特定居住用宅地等
80%の評価減となる特定居住用宅地等とは、被相続人等の居住の用に供されていた宅地で、取得者のうちに「配偶者」か、次のいずれかの要件を満たす「親族」がいることです。
イ、 同居親族で継続して居住している
ロ、 被相続人に配偶者または、同居親族がない場合に3年以内
に居住用の持家がなく、同居していない親族
ハ、 生計が一で、相続開始前から居住
上記の要件を満たした親族が、当該宅地等を申告期限まで引き続き所有し、かつ申告期限まで引き続き居住している(ロ、のケースは除く)場合に限り、80%の減額が適用できます。
なお、平成22年3月31日までの相続または、遺贈においては、取得者のうち1人が上記の要件を満たしていれば、全員に80%の評価減の適用がありましたが、改正により、要件を満たすもの以外のものは適用を受けることができなくなりました。
また、1棟の居住用併用建物についても改正がありました。
平成22年3月31日までの相続または、遺贈については1棟の建物の中に特定居住用部分と他の用途部分がある場合は、按分する必要がなく、すべてが特定居住用として扱われます。したがって、全部が貸付用では50%の評価減であるものが、一部分でも特定居住用となれば、240㎡までの部分ですが、全体が80%評価減となります。
しかし、改正後の平成22年4月1日以後については、1棟の建物の敷地に特定居住用と、それ以外の利用とがある場合には、利用区分ごとに小規模宅地の判定を行わなければなりません。
③土地が複数ある場合
複数の宅地を適用する場合には面積の調整が行われます。
A+B×5/3+C×2≦400㎡
A、 特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等に該当する
部分の合計面積
B、 特定居住用宅地等に該当する部分の合計面積
C、 貸付事業用宅地等に該当する部分の合計面積
(2)適用要件
相続税の申告書に、この適用を受ける旨の記載及び計算に関する明細書その他一定の書類の添付がある場合に限り適用されます。
なお、この特例は、相続税の申告期限までに相続人等によって分割されていない宅地等には適用されません。ただし、申告期限までに分割されていない宅地等が、次のいずれかに該当することになったときには、適用することとなっています。
①、申告期限後3年以内に分割された場合
②、期限後3年以内に分割できないことについてやむを得ない事情があり、所轄税務署長の承認を受けた場合、分割できることとなった日として定められた一定の日から4 ヶ月以内に分割されたとき