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こんな時のために【遺言】があれば…パート2

動画の概要

皆さんこんにちは、税理士の山口です。

今日のテーマはこんな遺言があれば…ということの第2弾です。遺言があってもトラブルになるケースもありますので、ぜひご参考にしてください。

ではまず1つ目です。古い遺言には要注意ということです。トラブルの内容としましては相続人は長男と次男でございました。作ってあった遺言が20年前のものだったんですね。そこから一度も見直しがされませんでした。いざ相続となった時に、古い遺言で書いた当時と財産内容が変わってたんです。あるべき預金がないとか、不動産売却して有価証券に変わっていたとか。当時と比べてバブルも崩壊したので、価値が下がっているということもあり得ますし、これ以外にも税制が変わることもあります。

基礎控除が下がったとか、それから小規模宅地の特例なんかはコロコロ変わってます。使えるはずだと思っていた特例が使えなかった、とかってのはよくある話です。「こんな遺言があったらな」ということで、少なくとも10年に一回は内容を見直してください。できれば5年に一回は確認してくださいということです。

私も遺言を作ったお客様には「大体3年から5年ぐらい経ったら内容を見直してくださいね」というお話をしています。特に住環境の変化、引っ越しをしたりとか、不動産を売却したりとか、大きな財産で変動があった時には要注意ですね。

税務調査の際にありがちな話なんですけど、遺言を作ってそこに不動産を書いたとして、その後その不動産を売却したと言った場合、相続時点にその不動産はなかったというケースがあります。調査官はなくなった不動産についてやたら気にしていて、「不動産を売却したお金どこへ行ったんですか」とか根掘り葉掘り聞かれたことがあります。特に遺言自体にはあまり影響はないんですが、税務調査が来た時に「この財産どこに行ったんですか。お金をどうしたんですか」とかあまり聞かなくてもいいことを、聞かれたりすることもあるので、やはり書き直してみてるのがいいと思います。

自宅から介護施設へ入所するという時に、1,000万円単位でぐらいかかることもありますので、財産のように大きな変動があります。その際に自宅を売却する場合、自宅をもらうはずだった人の財産がなくなるということになります。別途、お金の配分を変えたりするということも必要になります。あと気をつけるタイミングとしては再婚ですね。後妻さんと前妻さんのお子さんとの間でバランスとか人間関係もありますので、遺言の作り直しを慎重にしていただきたいと思います。いずれにしろ3年から5年には見直しておくと、トラブルを回避できると思います。

2つ目は、相続人の意向に沿わない遺言書です。私個人的には遺言はご本人の自由なので、遺産をどう分けていただいても全然問題ないとは思うんですけども、遺留分であったりですとか、相続人の意向とか、ある程度加味しなければいけないケースもあるのかなと思います。

全財産を妻にという遺言があったんですけども、揉めてしまいました。財産内容は、自宅が2,000万円、預金が2,000万円、有価証券が1億2,000万で合計1億6,000万でした。原因としては遺留分を考慮しなかったのと、長男は自宅を相続したいというのがありました。

長男だけ自宅をもらいますと兄弟間のバランスが悪くなります。遺言ではなくて協議書で代償金という形で分割することも可能ということです。これは解決策みたいなものです。

こんな遺言があったらいいのにということで、お父さんの気持ちもわかるんですけども、あんまり極端な内容にしない方がいいのかなと思います。

あと株がたくさんある場合については売却をしていただいて、現金化していくとです。分けやすくなることが目的です。こんな形で分割しましたというで、今回遺言があったんですけども、遺言は横に置いてですね。放棄という形で遺言ではなくて、遺産分割協議をすることも可能ということです。長男Aは自宅を相続しました。上場株については、配偶者が相続して現金化しました。配偶者は配偶者の軽減がありますので税金は0。ただですね。

株の売却の際の譲渡税はかかりますので、そこだけはいただければと思います。配偶者は長女Bに代償金2,000万を払ったということですね。ここでのポイントは、長女Bに代償金2,000万払ったということですね。人によってですね。長女さんは相続税がかかりますので、長女に株を相続してもらって取得費加算を使えばいいじゃないかというふうに思うかもしれません。そうすると長女からすると、確定申告もしなければいけない税金もかかるというとです。なかなか心理的なハードルもあるかもしれませんので、現金でもらった方が相続だけで完結しますので、納得もしやすいのかなということで分割しましたということです。

このもらった代償金については、じゃあ贈与税になるんですかという質問があります。これはあくまでも相続の遺産分割協議の中の話になります。贈与税はかかりませんので、相続だけで完結するかということでございます。
遺言を作って安心ということではなく、ぜひ見直しもしていただければ、より安心かなというふうに思います。